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  3. お肌の乾燥対策
乾燥肌

普段からスキンケアをしているのに肌がカサカサする、うるおいを感じられないといった悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
肌のうるおいを保つには普段のスキンケアだけではなく、環境を見直すことも大切です。今回は肌の対策に有効なスキンケアと環境について紹介します。

肌と水分

人間の体重の約65%を水分が占めており、このうち15%は肌に蓄えられています。肌は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっており、それぞれの層に水分が蓄えられることで、良好な状態を保っているのです。
この時重要なのが表皮の最も外側にある角質層です。角質層がバリアとなることで、肌内部から水分が蒸発を防ぎ、細菌や花粉といった外部刺激から肌を守る役割を持っています。
こうした機能を肌のバリア機能と呼ばれ、肌のみずみずしさやうるおい、ハリのある状態が保たれているのです。

皮脂や水分が不足した状態の乾燥肌

乾燥肌とは、肌の水分、皮脂が不足しうるおいをなくした状態です。ドライスキンとも呼ばれています。入浴後や洗顔後、肌が突っ張る、カサカサするなどの症状が見られます。
特に乾燥しやすいのは皮脂の分泌が少ない膝やすね、ひじ、足の裏などの部位です。顔だと頬や目、口のまわりが乾燥しやすくなります。

乾燥によるリスク

乾燥した状態を放置していると肌のバリア機能が低下し、免疫機能が落ち水分が蒸発しやすくなります。ターンオーバーに必要な水分量が足りないと肌荒れやかゆみといったトラブルの原因に。
肌だけではなく口や鼻の粘膜が乾燥することで風邪を引きやすくなります。

肌が乾燥する原因とは

肌が乾燥する原因を確認しておくことで、どのような対策が必要なのかわかりますよ。肌が乾燥する原因は以下の通りです。

空気の乾燥や冷房による乾燥

空気が乾燥していると肌の水分が蒸発しやすくなります。冬場、肌の乾燥に悩まされるのはそのためです。
また、エアコンを使う夏場も要注意。エアコンが空気中の水分を取り除いてしまうため、冬以外の乾燥対策は欠かせません。
夏場はエアコンが欠かせませんが、体を冷やし過ぎると血行不良になりやすくなります。血行不良は必要な栄養や酸素が肌に行き渡らず、皮膚のターンオーバーが低下してしまい肌の乾燥につながってしまうのです。

日焼けは乾燥を招く

夏は日焼けが気になる時期です。日焼けをしないためにUVケアをしっかり行っている方は多いのではないでしょうか。
実は日焼けと肌の乾燥には関連があり、紫外線対策は肌の乾燥予防にもつながるのです。

紫外線を浴びると肌が乾燥する理由とは

紫外線が肌に与える影響は日焼けだけではありません。紫外線は皮膚のバリア機能にもダメージを与えます。肌の表面にはバリア機能が備わっており、外からの刺激から体を守っています。
また、皮膚のバリア機能には肌の水分を逃さないように守る作用があるため、私たちの肌のうるおいは守られているのです。紫外線を過度に浴びると、皮膚のバリア機能の低下を招き、肌の水分を保持できなくなってしまい、肌が乾燥してしまいます。
肌の乾燥というと寒い季節を思い浮かべるかもしれませんが、紫外線によって季節問わず肌は乾燥しやすい状況であると覚えておきましょう。

大量の発汗

汗をかくと、肌がうるおうように感じられるかもしれませんが、大量の汗をかくと、汗と一緒にうるおいも失われてしまい、肌が乾燥してしまいます。さらに汗をかいたまま放置していると、汗の蒸発時に肌の水分も奪ってしまいます。
汗によるしっとり感は一時的なものなので、汗をかいた後は適度に保湿ケアをしないと、汗をかくほど乾燥してしまうので注意しましょう。

間違ったスキンケアや入浴

ナイロンタオルによる摩擦、ゴシゴシ洗い、洗浄力の高い洗顔料や石鹸を使うなどすると、肌の水分が奪われてしまいます。
42度以上の熱すぎるシャワーやお風呂も、肌のバリア機能を支える皮脂が流れてしまい、肌が乾燥してしまうのです。

加齢による皮脂分泌量の低下

個人差はありますが、年齢とともに水分、セラミドなどの肌の保湿成分が減る傾向にあります。そのため、肌のバリア機能が低下し外の刺激に弱くなってしまうのです。

乾燥肌改善のためにやってはいけないスキンケア

よかれと思ってやっていることが肌を乾燥させてしまっている可能性があります。肌に負担をかけていないかチェックしてみてください。

クレンジング

乾燥肌対策で見直したいのがクレンジングです。メイクをきちんと落とすことは肌のバリア機能を守り、肌の状態を保つことに直結しますが、誤ったクレンジングを続けると、肌の乾燥や肌荒れの原因になってしまいます。
まずはクレンジング剤の見直しです。クレンジング剤に使われている界面活性剤は、水と油を融合させ、メイクを落としやすくする作用があり、多くのクレンジング剤で使われています。
しかし、肌に残っていると肌内部の水分と油分を奪い、バリア機能を破壊してしまうので注意が必要です。特に「ラウリル」「アンモニウム」「スルホン酸」など石油から作られる合成界面活性剤は避けましょう。
合成界面活性剤フリー、不使用などの表示がある製品なら安心です。
また、洗い流さないクレンジング剤は、クレンジング剤の成分が肌に残ってしまうのでおすすめしません。肌に残ったままだと肌内部のうるおいが損なわれ、雑菌の繁殖やつまりの原因になります。

洗顔を見直す

乾燥肌対策には洗顔方法の見直しは必須です。洗顔のし過ぎも要注意。朝と晩の1日2回までにしておきましょう。
洗顔の際、手のひらや指先でゴシゴシ洗うと、摩擦によって肌表面のバリア機能が損なわれてしまいます。洗顔料をしっかり泡立てて、こすらないように泡を転がすようにやさしく洗いましょう。
水温は36~38度のぬるま湯がベスト。熱いお湯は皮脂が溶けだしてしまい肌を乾燥させてしまいます。すすぎは洗顔料が残らないように隅々まで洗い流してから、清潔なタオルで水気を拭き取りましょう。
洗顔後は肌が乾燥しやすくなっていますので、すみやかに基礎化粧品で保湿ケアを行い、肌をみずみずしい状態に保ちましょう。

保湿

普段のスキンケアにプラスしたい肌の乾燥対策

紫外線対策

毎日の紫外線対策は非常に重要です。特に太陽が高くなる正午前後は最も紫外線が強いので、この時間帯の外出は避けたいところです。なるべく朝早い時間や夕方の涼しい時間帯に外出を済ませるようにして、紫外線を受けないようにしましょう。
外出時は紫外線から肌を守るため、日焼け止めや帽子、日傘などを利用し、肌に紫外線が当たらないようにしましょう。
紫外線は日中降り注いでいるので、曇りや雨だからと紫外線対策をしないのはNGです。天候にかかわりなく、紫外線対策をしっかり行ってから外出するようにしてください。

日焼け止めの選び方

紫外線による肌のダメージを防ぐために、季節関係なく日焼け止めを塗るようにしましょう。日焼け止めはSPF値とPA値を見て、使用シーンに合わせて選んでください。
SPF50+やPA++++のように紫外線防止効果の高い日焼け止めは、効果が高い分、肌にもダメージを与えてしまいます。
そのため、生活シーンにあわせて使い分けることが大切です。通勤や家事など日常生活で使う日焼け止めなら、SPF10~20でも十分効果があります。
逆にプールや海などアウトドアを楽しむならSPF50以上のものがおすすめです。

生活習慣を見直す

肌の乾燥対策には、スキンケア以外にも睡眠や栄養補給など内側からのアプローチも重要です。質の良い睡眠で成長ホルモンの分泌を促し、肌のターンオーバーを整えましょう。
睡眠の質を上げるには、眠り始めてから最初の3時間をぐっすり眠ることが重要です。ベッドに入る1~2時間前に入浴を済ませ、寝るころにはほどよく体温を下げておくといいでしょう。
他にも寝る前に飲食を控え、テレビやスマホを避けます。室内を暗くしておくことも自然な眠りに入るためのコツです。
食事はバランスよく栄養を摂ることが大切です。肌の材料となるたんぱく質、肌を作るビタミンAやビタミンB群、抗酸化作用のあるビタミンCなど積極的に摂るようにしましょう。
特にビタミンB群は肌のターンオーバーを正常に保つ働きがあり、不足するとターンオーバーが乱れ、バリア機能の低下につながってしまいます。

こまめな水分補給

乾燥肌を防ぐには水分補給が大切です。水分補給のタイミングはのどが渇く前に摂取することです。のどが渇きを覚えたころには、体内は水分不足になっているので、肌のうるおいも失われつつあります。
少量ずつ、こまめに水分補給をするようにしましょう。
水分補給で気をつけたいことは、コーヒーや緑茶、紅茶などカフェインを含んだ飲み物は利尿作用があるため、かえって体内の水分排出を促してしまいます。水や麦茶などカフェインを含まない飲み物で水分補給するようにしてください。
また、冷たい飲み物を飲みすぎると体を冷やし、新陳代謝が悪くなってしまいます。常温や温かい温度で飲むことをおすすめします。

部屋を加湿する

部屋を加湿することで乾燥を防ぐことができます。手軽に湿度を上げたいなら、洗濯物を室内に干す、鍋でお湯を沸かすといった方法があります。どれも水分が蒸発するため、部屋の加湿になりますよ。
観葉植物も根から吸いあげた水分を葉から放出するので、葉が大きいものを室内に置いておくといいでしょう。部屋全体の加湿をするなら加湿器がおすすめです。

乾燥肌の対策というと、化粧水などで水分を補うことに目が行きがちですが、実は様々な要素が絡んでいます。
肌の保湿だけではなく、体の内側からうるおいを生み出す力を高めるインナーケアが何よりも大切です。生活バランスを整え、質の良い食事や睡眠で体の内側からアプローチしていきましょう。
今回紹介した方法を参考にしてみてください。